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第十回:屈折試験機+solidworks-円柱側面に穴を描く

株式会社 FRPカジR&Dセンター メールマガジン

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◇◇   技術評価受託の活用法と解説   ◇◇

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2024年7月15日

 

 

第十回:屈折試験機+solidworks-円柱側面に穴を描く

 

<目次> ─────────────

 

・R&D所有設備紹介+動画

 

・モデリング技術+動画

 

<R&D所有設備紹介+動画> ─────────────

 

・今回の紹介する設備仕様

円筒形マンドレル屈曲試験機 KT-SP1800(TQC)

 

〈屈曲試験機とは何か〉

 

屈曲試験機とは、材料の柔軟性や耐クラック性を評価するための装置です。

塗膜やコーティング、金属、プラスチックなどの材料が曲げられたときにどのように反応するかを定性的に評価します。

弊社所有の円筒形マンドレル屈曲試験機 KT-SP1800(TQC)は、

塗料を塗った試験片をマンドレル(円筒状の棒)によって折り曲げ、塗膜の割れや、

金属基板からの剥がれに対する抵抗性を観察します。

 

試験は主にJIS K 5600-5-1 塗料一般試験方法-第5部:塗装の機械的性質-第1節:耐屈曲性(円筒マンドレル法)に基づいて行います。

試験装置はタイプ1の試験板の厚さが0.3mmまでのものと、

タイプ2の試験板の厚さが1.0mmまでの2種類が存在し、本試験機はタイプ2に該当します。

 

円筒形マンドレル屈曲試験機 KT-SP1800(TQC)の仕様を示すと以下のようになります。

・試験基準:準拠規格: ASTM D522, ISO 6860, DIN 53152, JIS K 5600-5-1

・最大試験板サイズ: 150 mm x 100 mm

・試験板の厚さ: 最大1 mm

・マンドレルサイズ:2,3,4,5,6,8,10,12,13,16,19,20,25,32mm

・機械的精度:マンドレル径φ12 mm以下は±0.05 mm、φ13mm以上は±0.1 mm

・本体サイズ/質量:140×170×340 mm /4.15kg

 

 

〈実際の使用例・活用法〉

 

事前にJIS K5600-4-1の規定に従った試験片を製作します。

試験片の情報として、素地の材質・厚さ・表面加工・塗布方法・乾燥条件及び放置時間・乾燥塗装膜厚が必要です。

試験機に、塗装面がマンドレルと逆向きになるよう試験片を挟み、ネジを回して固定させます。

ハンドルを持ち、急激でなく、1~2秒の時間をかけて均等にハンドルを180°倒して折り曲げます。

ハンドルを戻し、ネジを回して挟んだ試験片を取り外します。

試験片の端から10mm以内の塗膜表面は無視して、塗膜面に割れ、剥離がないかを目視で確認します。

ルーペを使用した場合、その旨を試験結果として記載します。

塗膜の割れや剥離が起こるまで、マンドレルの直径をより小さなものに変更し、試験を繰り返します。

 

 

当社で開発したFRP特殊塗装工法®は、塗料としての役割に、「GFRP材料由来の強み」と「実績ある耐食性樹脂」の機能を融合させ、

高い耐食性を実現させた塗料となります。

しかし当該塗料は、屈曲試験により母材である金属、並びに面外引張の密着性試験により、

プライマーとの密着性が低いことが明らかとなっています。

当該性能向上を目指して試験を行い、改良を続けています。

 

 

FRP特殊塗装工法®による耐食塗装はHPにて公開しています。

 

・GFRPと耐蝕性樹脂の機能を融合したFRP特殊塗装のコンセプト

https://x.gd/2oo9K

 

 

JIS K5600-5-1に準拠したマンドレル試験機の試験方法の動画は、YouTubeにて公開しています。

 

・【FRPカジ】JIS K 5600-5-1:1999 円筒形マンドレル法

 

 

・ R&D所有設備動画のURL

 

 

<モデリング技術+動画>  ─────────────

 

〈モデリング作業のコツ〉

solidworks-円柱側面に穴を描く

1.「円」コマンドから選択し、座標中心クリックして円を作成します。

2. コマンドウィンドから直径を入力します。(今回は50mmの球体です)

3. 「寸法」コマンドを選択し、寸法を定義します。

4. 「ボス – 押し出し」コマンドを選択し、円をクリックして厚みを定義します。

5. 「参照平面」コマンドで第一参照面に平面を指定し、垂直を選択します。

6. 作成した参照平面に「円」コマンドを選択し、円を描きます。

7. 「寸法」コマンドを選択し、寸法を定義します。

8. 「カット -押し出し」コマンドを選択し、穴を開けます。

 

 

・本モデリング技術の応用例

3DCADソフトウェアでは、平面が存在しない箇所や球体のようなモデリング形状に対して、直接スケッチすることは難しい場合があります。

しかし、参照平面を使用することで、複雑な形状に対してもスケッチから形状を付与することが可能になります。

 

 

・上記の概要に該当する動画のURL