株式会社 FRPカジR&Dセンター メールマガジン
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◇◇ 技術評価受託の活用法と解説 ◇◇
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2024年8月16日
第十一回:シックネスゲージ+solidworks-面取り・フィレット
<目次> ─────────────
・R&D所有設備紹介+動画
・モデリング技術+動画
<R&D所有設備紹介+動画> ─────────────
・今回の紹介する設備仕様
シックネスゲージ W2869B(Gtbl)
〈シックネスゲージとは何か〉
シックネスゲージは、異なる厚さの複数の薄い金属板(ブレード)から構成されており、
ノギスでは測定できない非常に薄い隙間や間隔を測定するための道具です。
当社所有のシックネスゲージ W2869B(Gtbl)は、複数のブレードが一つのホルダーに納められているタイプです。
ホルダーからブレードをスライドさせるか、ホルダー上部のネジを取り外し、バラバラの状態でブレードを使用します。
測定範囲について示すと以下のようになります。
・測定範囲:0.02~1mm
・ブレードサイズ:150mm×17mm
〈実際の使用例・活用法〉
使い方は、測定対象の隙間に一枚のブレードを挿入します。
ブレードが隙間にちょうどフィットするかどうかを確認し、
フィットしない場合は、厚さを調整するために別のブレードを試します。
一枚のブレードでフィットしない場合は、複数のブレードを重ね合わせます。
例えば、0.1 mmと0.03 mmのブレードを重ねると、合計0.13 mmになります。
このような手順でブレードを狙い厚みに設定します。
ブレードが適切にフィットする厚さを確認したら、その厚さが測定値となります。
当社では、ハンドレイアップ法を駆使し、
JIS規格に準拠したGFRP(ガラス繊維強化プラスチック)の試験板を製作しています。
GFRPはその性質上、反りや歪みが発生しやすい素材であるため、
試験板から試験片加工を行う前に、反りを測定します。
定盤上に置いたGFRP試験板と定盤との間にシックネスゲージを挿入していき、
複数箇所で測定を行い、最も大きな隙間の厚さを記録します。
反りや歪みが発生しやすい箇所を把握し、試験片加工時に避けることで、品質を高めることができます。
必要であればマット構成を考慮したうえで面切削を行い、平面度を確保しています。
シックネスゲージによる検査を行い、試験板を製作している様子は技術レポートでも公開しております。
・「ASTM D5379によるガラスマット強化GFRPの面内せん断特性評価」技術資料_ENG-REPORT-009
・ R&D所有設備動画のURL
<モデリング技術+動画> ─────────────
〈モデリング作業のコツ〉
solidworks-面取り・フィレット
1. スケッチコマンドを選択し、Front Plane(正面)クリックします。
2. スケッチツールから「Rectangle(矩形)」を選択し、原点を基準に正方形を適当に描きます。
3. 寸法定義を行います。動画では50mm x 50mmで指定しています。
4. 「Features(フィーチャー)」タブを選択し、「Extruded Boss/Base(ボス/ベースの押し出し)」をクリックし、50mmの高さで押し出します。
5. 上部メニューの「Features(フィーチャー)」タブをクリックし、「Fillet(フィレット)」を選択します。
6. フィレットするアイテム(エッジや面)を選択し、PropertyManagerで半径を5mmに設定します。
7. ここで一旦、面取りの説明に入るため、矢印マークの取り消しを選択し、フィレットから四角の状態に戻します。
8. 上部メニューの「Features(フィーチャー)」タブをクリックし、「Chamfer(面取り)」を選択します。
9. 面取りするアイテム(エッジや面)を選択し、PropertyManagerで寸法を5mmに設定します。
・本モデリング技術の応用例
Chamfer(面取り)・Fillet(フィレット)は美観の向上以外にも大きな役割があります。
面取りは主に組み立ての容易さ、安全性、応力集中の軽減に役立ち、
フィレットは主に応力分散、摩擦と磨耗の減少、製造プロセスの簡便化、触感の改善に役立ちます。
面取りはフローガイド(流体が通過する経路)の形状を描く際にも使用できます。
流体の流れを滑らかにしたいチャンネルのエッジを選択し、
例えば2mm×30度といった面取りを設定することで、流体がスムーズに流れるチャンネルが完成します。
・上記の概要に該当する動画のURL