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第二十三回:高所カメラ+SolidWorks-パンチングプレート

株式会社 FRPカジR&Dセンター メールマガジン

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◇◇   技術評価受託の活用法と解説   ◇◇

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2025年8月16日

 

第二十三回:高所カメラ+SolidWorks-パンチングプレート

 

<目次> ─────────────

 

・R&D所有設備紹介+動画

 

・モデリング技術+動画

 

<R&D所有設備紹介+動画> ─────────────

 

・今回の紹介する設備仕様

高所カメラ 3R-FXS09-56(3R)

 

〈高所カメラとは何か〉

 

高所カメラとは、手の届かない高所や狭小部などを安全かつ簡単に撮影・確認できるように設計されたカメラです。

伸縮可能なポールや可動式のカメラヘッドを備え、高い位置の設備・構造物の状態確認や

メンテナンス時の検査・記録に活用されています。

特に、製品の外観品質を重視する業種(自動車、家電、精密機器など)では、

微細なキズや異物によるトラブルを防ぐために重要な役割を担います。

 

当社で所有する高所カメラ、3R-FXS09-56(3R)は、

軽量で扱いやすい伸縮式ポールと自由に角度を調整できるカメラヘッドを備えており、

フロアレベル(FL)からおよそ + 6.5 m までの高所や狭い隙間の目視検査を、効率よく安全に実施できます。

撮影映像は手元のモニターでリアルタイムに確認できるため、現場で即座に状況判断が可能です。

 

以下にその仕様を詳しく説明します。

 

・カメラ部

解像度:720×576

カメラ先端径:直径23mm

光源:白色LED×12個

焦点距離:60mm~

防水性能:IP68(カメラケーブル部のみ)

 

・ポール・ケーブル

カメラケーブル長:50cm

伸縮ロッド有効長:105 cm ~ 510 cm(全長約5.6m)

到達長(ポール最伸長+保持位置):約 6.5 m(FL+6.5 m)

 

・モニター部

4.3型液晶モニター搭載

静止画解像度:720×576、720×480(JPG形式)

動画解像度:720×576、720×480(AVI形式、フレームレート30fps)

記録媒体:SDHCカード(最大32GB)

 

・電源・使用環境

電源:リチウムイオン充電式電池(3.7V、2200mAh)×2個

充電時間:約3.4時間

連続使用時間:約4.5時間

動作温度:-10℃~50℃(屋外・屋内使用可能)

 

・サイズ・重量(モニター含まず)

幅7cm×奥行7.8cm×高さ360cm、重量約1.4kg

 

 

〈実際の使用例・活用法〉

 

当社(FRPカジ)では、高所点検カメラ(3R-FXS09)を用いて、

狭いタンクの内部や人が乗ると危険なタンク上面などの点検・劣化診断を、安全かつ効率的に実施しています。

FRP製塩酸貯蔵タンクの劣化診断において、側面や底面など液体と常に接する部分の確認は一般的ですが、

液面よりも上に位置する天井部の劣化は見逃されるケースが多くあります。

FRP製円筒槽については内容液が塩酸である場合、人が天板部に乗ったことによって、

天井部が崩壊するという複数の事故報告があります。

 

一般にはほとんど知られていませんが、塩酸蒸気にさらされるタンクの天井部では、

蒸気がFRP内部へ浸透しガラス繊維成分を溶出させることで、FRP自体の強度を著しく低下させてしまうことが、

近年の研究(東京工業大学、日本大学)で明らかになっています。

 

この新しい知見を踏まえ、当社では高所カメラを活用して、

これまで見逃されてきたFRPタンク天井部の劣化診断を安全に実施しています。

足場や脚立を用意することなく地上から点検できるため、作業効率の向上と事故防止に役立っています。

 

塩酸を内容液として貯蔵するFRP製円筒槽に特化した、『FRP製塩酸貯蔵タンクの改修/補修』詳細については、

ぜひ「FRP製塩酸貯蔵タンクの改修/補修」ページをご覧ください。

 

https://x.gd/9tVnb

 

 

・ R&D所有設備動画のURL

https://youtu.be/PM1VENd4458?si=RGdmyhBJAKNknzvH

 

 

<モデリング技術+動画>  ─────────────

 

〈モデリング作業のコツ〉

SolidWorks-パンチングプレート

  1. 板の上面に新しいスケッチを作成します。
  2. 板の左下に円(穴)を描きます(円の位置はどこに描いても構いません)。
  3. スマート寸法で円の位置と直径を定義し、スケッチ終了です。
  4. 押し出しカット」から「スルーすべて(Through All)」を選択すると、穴が板を貫通して出来ます。
  5. 「フィーチャー」タブ →「矩形パターン(Linear Pattern)」を選択します。
  6. 方向1 / 方向2:X・Y方向を選択します(エッジや軸を使う)。
  7. 間隔(Spacing)と個数(Instances)を設定します。

例:10mm 間隔で 20×10 個

  1. 「フィーチャー/フェイス」にカットした穴(Cut-Extrude1など)を指定します。
  2. プレビュー確認 →「OK」で完成

 

 

・本モデリング技術の応用例

 

穴は六角穴・長穴・スリットもOKです。

穴スケッチで「長円」「ポリゴン」「スリット形状」などに変更も可能です。

また、「スケッチパターン」で複雑な並び方(千鳥配置、同心円パターンなど)も対応しており、

外形を含めて「パターン化されたパンチングユニット」を設計し、アセンブリでも活用ができます。

ただし、パターン数が多いと動作が重くなってきます。設計後は「表示簡略化」も検討すると良いでしょう。

複雑な配置(曲面へのパターンなど)は「フィルパターン(Fill Pattern)」や「パスパターン」が有効です。

 

 

・上記の概要に該当する動画のURL