株式会社 FRPカジR&Dセンター メールマガジン
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◇◇ 技術評価受託の活用法と解説 ◇◇
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2024年2月15日
第五回:表面粗さ計+Autodesk Fusion 360-花瓶を作る
<目次> ─────────────
・R&D所有設備紹介+動画
・モデリング技術+動画
<R&D所有設備紹介+動画> ─────────────
・今回の紹介する設備仕様
表面粗さ計 SJ-310(ミツトヨ)
〈表面粗さ計とは何か〉
表面粗さ計というのは、その名の通り物体の表面の微小な凹凸を計測する機器です。
表面粗さを測定する方法には、大きく分けて「接触式」と「非接触式」の2つの方式があります。
また、据え置きタイプと持ち運びが容易なハンディタイプがあり、
弊社所有の表面粗さ計 SJ-310(ミツトヨ)は
ハンディタイプの触針式表⾯粗さ測定機です。
表面粗さ計は、測定物表面の微細な凹凸を鋭利な先端形状の触針と
触針を支えるスタイラス(駆動軸)が凹凸をトレースし、上下の変位量を数値化します。
また、触針の近くにはスキッドという機構があり、
測定物表面の上部を滑る真直度データムとして機能します。
最近ではスキッドレスのタイプも発売されており、スタイラスの真直を保障したガイドを基準してとしています。
スキッドがあると深く針が落ちた際に機構が測定物表面にぶつかる恐れがあるため、
スキッド機構をなくすことで、凹部をより深く検出できる仕組みになっています。
測定範囲と仕様概要を示すと以下のようになります。
・測定範囲 X軸(触針の動く距離です):16mm
・測定範囲 Z1軸(触針の凹凸を計れる距離です):-200~160μm
・スキッド圧:400mN以下
〈実際の使用例・活用法〉
表面の性状は製品の特性に大きく影響します。
弊社で行っているハンドレイアップ法では、片面が解放されいる解放型であるため、
型によって成形される成形面の逆面には強化繊維由来の凹凸が生じます。
一般的にこの凹凸面(解放面)は意匠面にならず、目に触れることはあまり無いのですが、
FRPタンクにおいて液体貯蔵物を外に排出する機構を取り付けようとする場合、
凹凸面があるとシーリングがうまくできず液漏れの原因となります。
このようなケースにおいては凹凸面を平滑にする仕上げ加工の技術が必須であり、
手仕上げでどの程度の粗さとなっているのか表面状態を定量的に評価し、
成形物の形状最適化に向けた生産型形状の修正の方向性を明らかにします。
本結果については、当社HPでも技術レポートして公開しています。
・「表面に凹凸のあるFRP製品の手仕上げ後の表面粗さ測定結果」技術資料_ENG-REPORT-001
・「3次元形状を有するFRP製品の手仕上げ後の表面粗さ測定結果」技術資料_ENG-REPORT-004
・ R&D所有設備動画のURL
<モデリング技術+動画> ─────────────
〈モデリング作業のコツ〉
Autodesk Fusion 360-文字によるエンボス/デボス加工
1. ソリッド-スケッチ作成のコマンドを選択し、四角形のモデリング面を選択します。
2. 「作成▼」のボタンをクリックします。
3. 文字の位置を指定すると、サンプル文字と入力されます。
4. サンプル文字をクリックして編集します。今回は「株式会社FRPカジR&Dセンター」と入力しました。
5. 押し出しコマンドを選択し、押し出し方向を片側に設定して「距離」を負の値にすると、くり抜いた文字が作成できます。
・本モデリング技術の応用例
押し出しコマンドを選択し、押し出し方向を片側に設定して「距離」を正の値にすると逆に飛び出した文字が作成できます。
また、文字の編集をすると上部に点が表示されます。
点をクリックしたままマウスで左右にカーソルを動かすことで、文字に傾きを付けることが可能です。
・上記の概要に該当する動画のURL
https://x.gd/d18ay