第10回:ENG-REPORT-004(Part 1)「3次元形状を有するFRP製品の手仕上げ後の表面粗さ測定結果」~なぜこのレポートが生まれたのか?~+SolidWorks-花瓶の作り方

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2026年8月15日

 

第10回:ENG-REPORT-004(Part 1)「3次元形状を有するFRP製品の手仕上げ後の表面粗さ測定結果」~なぜこのレポートが生まれたのか?~+SolidWorks-花瓶の作り方

 

<目次> ─────────────

 

・今回の技術レポートの紹介

 

・技術レポートの背景

 

・技術レポートの狙い・目的

 

・次回予告

 

・モデリング技術+動画

 

<今回の技術レポートの紹介> ─────────────

 

こんにちは。

FRPカジR&Dセンター 入社3年目の山北 桜子です。

 

今回からは ENG-REPORT-004 を読み解いていきます。
テーマは「3次元形状を有するFRP製品の手仕上げ後の表面粗さ測定結果」です。

 

前回までのENG-REPORT-003では、

FRP平板に穴あけ加工を行ったときの精度について、

真円度や穴あけ位置を数値で確認しました。

 

今回は、また少し視点が変わって、FRP製品の「表面仕上げ」に注目します。

 

しかも、今回の対象は平らな面ではなく、曲面や立体的な形状を含む3次元形状です。

 

FRPは形状の自由度が高い材料ですが、

形が複雑になるほど、手で仕上げる作業も難しくなるのではないかと感じました。

 

このレポートは、そうした3次元形状のFRP製品について、

手仕上げ後の表面状態を「表面粗さ」という数値で確かめた内容です。

 

技術資料はこちら

「3次元形状を有するFRP製品の手仕上げ後の表面粗さ測定結果」技術資料_ENG-REPORT-004

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<技術レポートの背景>  ─────────────

 

FRPのハンドレイアップ成形では、型に接している面は、

樹脂とガラス繊維が型面に押し付けられた状態で硬化するため、

型面の形状が転写され、比較的なめらかに仕上がります。

 

逆に型に接していない反対側の面には、

強化繊維由来の凹凸が出やすくなります。

 

この面を「解放面」と呼びます。

 

通常、解放面は外観面や機能面にならないように設計されることが多いです。

 

しかし実際の製品では、形状や用途によって、

解放面側にも外観性や表面状態が求められる場合があります。

 

また、FRPはカスタム部品や設備部品などにも使われるため、

製品形状が平面だけでなく、曲面や立体的な形状を含む3次元形状になることもあります。

 

そのような場合、平面と同じように手仕上げしても、

同じ仕上がりになるとは限りません。

 

当社では、ENG-REPORT-001で平面の解放面について、

手仕上げ前後の表面状態を評価していました。

 

ただし、3次元形状を有する解放面について、

手仕上げ後の表面状態を定量的に評価したことは、まだありませんでした。

 

ここが、今回ENG-REPORT-004を作成した背景です。

 

 

<技術レポートの狙い・目的>  ─────────────

 

このレポートの目的は、

3次元形状を有するFRP製品の解放面を手仕上げしたときに、

表面の細かな凹凸をどの程度まで整えられるのかを、数値で確かめることです。

 

評価するのは、手仕上げ後の表面粗さです。

 

表面粗さとは、表面の細かな凹凸を数値で表したものです。

 

今回のレポートでは、表面粗さを Ra・Rz・Pt という3つの指標で評価しています。

 

少し専門的な記号なので、私なりに整理すると、次のような見方です。

 

・Ra:表面全体の凹凸を平均的に見た値

・Rz:一定範囲の中で、山と谷の差がどれくらいあるかを見る値

・Pt:測定した範囲全体で、いちばん高い山といちばん低い谷の差を見る値

 

つまり、Raだけを見るのではなく、RzやPtも合わせて見ることで、

「全体としてなめらかなのか」だけでなく、

「局所的に大きな凹凸が残っていないか」も確認できます。

 

私自身、今回のレポートで大事だと感じたのは、

「3次元形状でも、手仕上げによって表面の細かな凹凸をどこまで整えられるのか」を、

感覚ではなく数字で見ようとしている点です。

 

平らな面であれば、作業の方向や工具の当て方をそろえやすい気がします。

 

でも、曲面やおわん型のような形状になると、

場所によって工具の当て方や力のかかり方が変わりやすく、

仕上がりにもばらつきが出やすいのではないかと想像しました。

 

だからこそ、3次元形状に対しても表面粗さを測り、曲面の形状を保ったまま、

表面の凹凸をどの程度まで整えられたのかを確認することには、

大きな意味があると感じています。

 

 

<次回予告>  ─────────────

 

次回 ENG-REPORT-004(Part 2)では、今回の評価で使ったサンプルの作り方と、

表面粗さの測定方法を整理します。

 

3次元形状の成形品から、どの部分を切り出して評価したのか。

 

また、曲面を含むサンプルに対して、Ra・Rz・Ptをどのように測定したのか。

 

平面とは違う3次元形状ならではの測り方のポイントを、

私なりに一つずつ確認していきます。

 

 

<モデリング技術+動画>  ─────────────

 

〈モデリング作業のコツ〉

今回の動画は

「SolidWorks-花瓶の作り方」です。

 

・上記の概要に該当する動画のURL

 

 

1. スケッチ → 多角形 を選択

2. 作図エリアで中心点をクリック

3. 必要に応じてパラメータで辺数を設定(今回は6)

4. 多角形のサイズを決める

・マウスを動かして大きさを調整

・クリックして確定

5. 「押し出し」 をクリックし、厚みを作ります(今回は200mm)

6. テーパー角度を入力します(今回は11deg)

7. 「シェル」をクリックし、厚みのパラメータを指定します(今回は5mm)

中身のSolidがくり抜かれ、花瓶ができました。

 

・本モデリング技術の応用例

円やスプラインで作る花瓶は滑らかな印象になります。

 

一方、多角形を使うと、シャープで工業製品的なデザインになります。

 

花瓶だけでなく、

・多角形ボトル

・化粧品容器

・照明カバー

・インテリア部品

・樹脂成形品の外装

 

にも応用できます。