株式会社 FRPカジR&Dセンター メールマガジン
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◇◇ 若手が学ぶ!FRPカジの技術レポート徹底解説 ◇◇
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2025年11月15日
第1回:ENG-REPORT-001(Part 1)
表面に凹凸のあるFRP製品の手仕上げ後の表面粗さ測定結果」
~なぜこのレポートが生まれたのか?~
+SolidWorks-スマホスタンドの作り方part1
<目次> ─────────────
・今回の技術レポートの紹介
・技術レポートの背景
・技術レポートの狙い・目的
<今回の技術レポートの紹介> ─────────────
・「表面に凹凸のあるFRP製品の手仕上げ後の表面粗さ測定結果」 技術資料 ENG-REPORT-001
こんにちは。FRPカジR&Dセンター 入社3年目の山北 桜子(やまきた はなこ)と申します。
自社の技術をより深く理解し、自分の言葉で説明できるようになりたい――そんな思いから、
当社が発行し、HPでも公開している技術レポート(ENG-REPORT)を一つずつ読み解いて学んだ内容をメルマガでお届けしていきます。
技術レポートは、「なぜその試験を行ったのか」「どうやって進めたのか」「何がわかったのか」の3ステップで整理し、
私自身の気づきも交えてご紹介します。今回はその第一歩、ENG-REPORT-001から始めます。
<技術レポートの背景> ─────────────
まず、当社のFRP成形方法はハンドレイアップ法です。
ハンドレイアップ法とは、その名の通り手作業で行う成形法で、
FRP製や金属製の生産型や金属の定盤の上にガラスマットを1枚ずつ積層し、ローラーで樹脂を含浸させながら脱泡して成形します。
このとき、型に押し付けられる下側は比較的平滑な面(=型成形面)となり、
上側は型に触れていないためガラス繊維の凹凸が表面に出やすくなります。これを「解放面」と呼びます。
解放面の凹凸は、部品取り付け時のシーリングが密着しにくくなり、液漏れなどの不具合につながる恐れがあります。
そこで本レポート(ENG-REPORT-001)では、手仕上げで解放面をどの程度平滑化できるかを定量的に評価し、
FRP製品の性能向上に活かそうと考えました。
<技術レポートの狙い・目的> ─────────────
目的は、成形をハンドレイアップ法で行った。
① 解放面のまま/② 手仕上げ加工を行った面/③ 型で成形したもの(型成型面) の3種類の面を準備し、
それぞれの表面の凹凸(表面粗さ:Ra・Rz・Pt)と形のうねり・傾き(表面プロファイル)を測って比べることです。
そして得たいデータは、各面の測定値の平均とばらつき、そして代表的な断面プロファイルをそろえて、
「どの処理がどれだけ平滑になっているか」「どの程度ばらつくのか」を数値で把握します。
解決したい課題は、解放面の凹凸が原因で起きやすいシーリング不良や液漏れリスクを、
手仕上げでどこまでリスクを下げられるのかをはっきりさせること――これが一番の狙いです。
<次回予告> ─────────────
次回 ENG-REPORT-001(Part 2) は、
~実際にどう検証したのか? 試験条件の全貌を探る~ をテーマに、
サンプルの作り分け・評価の進め方・使用した手段(機器/治具/目視確認)など、実際の試験内容と手法に迫ります。
<モデリング技術+動画> ─────────────
〈モデリング作業のコツ〉
SolidWorks-スマホスタンドの作り方part1
1. 「ファイル」→「新規」→「パーツ」を選択し、作業平面(例:正面平面 Front Plane)を選んでスケッチを開始。
2. 長方形ツールを使って、スマホスタンドの側面形状をスケッチしていく
3. スケッチした線に寸法を入れて拘束していく
高さ寸法(背面の高さ)
奥行き寸法(台座の長さ)
角度寸法(背面の傾き)
寸法を入力すると、青色の線が黒色に変わり、完全拘束されます。
・本モデリング技術の応用例
スマート寸法で拘束されたスケッチは、数値を変えるだけで新しいモデルが作れます。
形状の意図を数値で管理し、変更に強いパラメトリック設計が可能です。
設計ルールや比率を直接モデル化でき、図面化(公差・注記)まで一貫することができます。
・上記の概要に該当する動画のURL










