第8回:ENG-REPORT-003(Part 2)「手作業による穴あけ加工精度測定結果」~実際にどう検証したのか? 試験条件の全貌を探る~+SolidWorks-ワイングラスの作り方

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2026年6月15日

 

第8回:ENG-REPORT-003(Part 2)「手作業による穴あけ加工精度測定結果」~実際にどう検証したのか? 試験条件の全貌を探る~+SolidWorks-ワイングラスの作り方

 

<目次> ─────────────

 

・前回(Part 1)のおさらい

 

・試験プロセス・手法

 

・次回予告

 

・モデリング技術+動画

 

<前回(Part 1)のおさらい> ─────────────

 

こんにちは。FRPカジR&Dセンター 入社3年目の山北 桜子です。

 

前回(Part 1)では、FRPは成形後の“加工”が製品化の鍵になる一方で、

一般的な加工方法では表層や中間層に剥離が生じることがあるため、

FRPの特性を理解した加工が重要になる、という背景を整理しました。

 

ENG-REPORT-003では、FRP平板に円形の穴あけ加工を行い、

真円度と穴あけ位置の精度をCMM(三次元測定機)で定量評価します。

 

加工方法は、一般的なホールソーと、当社のディスクグラインダー(ディスクサンダー)による方法の比較です。

今回はPart 2として、評価サンプルの条件と、測定の進め方(基準の取り方・測定条件)を、

レポートに沿って整理します。

 

(技術資料:ENG-REPORT-003 rev.1)

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「手作業による穴あけ加工精度測定結果」技術資料_ENG-REPORT-003 rev.1 ※内容に一部誤記があったため、改訂いたしました。(2018年12月21日追記) 「手作業による穴あけ加工精度測定結果」に関するpdf資料はこちら。 背景 FRP(Fiber Reinfor...

 

<試験プロセス・手法>  ─────────────

 

1)評価サンプル(何を比べたのか)

 

評価サンプルは、Hole sample A と Hole sample B の2種類です。

 

どちらも GFRP製の平板で、

寸法はおおよそ 200mm角、厚さ5mm の板材です。

 

中央付近には、狙い値 φ115mm の円形穴を加工しています。

 

表面は両面(Surface A、Surface B)とも型成形で、最外層はゲルコート層です。

 

ここで比較している違いは、穴あけ加工の方法です。

 

Hole sample A は、

当社が手作業で行っているディスクグラインダー加工。

 

Hole sample B は、

一般的な丸穴加工方法であるホールソー加工です。

 

加工した材料と加工作業者は同一条件としているため、

今回は主に、加工方法の違いが穴の精度や加工面にどう表れるかを見る評価になります。

 

2)真円度測定(基準の取り方と測定の流れ)

 

測定には、CMM(三次元測定機)を使っています。

 

CMMは、測定物にプローブを当てながら、位置や形状を座標として測る装置です。

 

今回の測定では、まずサンプルの基準を決めています。

 

定盤に置いたサンプルの面を基準面として、

そこを XY面(Z=0) に設定します。

さらに、サンプルの端面を使って X軸の方向とX原点を決めています。

 

つまり、いきなり穴だけを測るのではなく、

「この板のどこを基準にして、穴の位置や形を見るのか」を先に決めてから測定している、

ということです。

 

この基準を設定したうえで、

穴部分と外周部分を Z=3mm の高さ位置で倣い測定しています。

倣い測定とは、穴の輪郭に沿ってプローブを動かし、形をなぞるように測る方法です。

 

測定後は、穴部分の真円度を算出し、あわせてプロファイル(輪郭形状)を描写しています。

 

ここでいう真円度とは、穴がどれだけ真ん丸に近いかを示す指標です。

 

プロファイルは、実際の穴の輪郭にどのようなクセがあるかを見るための情報です。

 

3)測定条件(固定・環境・機種)

 

計測時、サンプルは二か所でクランプして固定しています。

 

測定中にサンプルが動いてしまうと、

穴の形や位置を正しく評価できないためです。

 

測定は 20±0.5℃ で管理した計測室で実施しています。

 

計測機は PMM-C700P(Leitz社製)、プローブ径は 2mm です。

 

今回のPart 2で大事なのは、単に「穴を測った」ということではなく、

板のどの面・どの端面を基準にするかを決めたうえで、

穴の丸さと位置を測っているという点だと感じました。

 

同じ穴でも、基準の取り方が曖昧だと、

「穴が丸いのか」

「位置がずれているのか」

「どちらが問題なのか」

が分かりにくくなってしまいます。

 

だからこそ、Part 3で結果を見る前に、

今回の測定ではサンプルの基準を決めてから、

穴の輪郭をなぞるように測定しているという流れを押さえておきたいと思います。

 

 

<次回予告>  ─────────────

次回 ENG-REPORT-003(Part 3) では、いよいよ結果です。

ディスクグラインダー加工(Hole sample A)とホールソー加工(Hole sample B)で、

真円度と穴あけ位置の精度にどのような差が出たのかを、

レポートの数値に沿って整理します。

 

また、結果を読みながら「実務でどちらを選ぶべきか」を考えるときのポイントも、

私なりにまとめてみます。

 

<モデリング技術+動画>  ─────────────

 

〈モデリング作業のコツ〉

今回の動画は

「SolidWorks-ワイングラスの作り方」です。

 

・上記の概要に該当する動画のURL

 

1. 側面から描いていきます。右側面(Right Plane)を選択し、スケッチを作成。

2. 直線コマンドを選択し、原点(座標中心)から上方向へ線を引く。

3. スマート寸法で長さを定義(例:50mm)。

4. 円弧コマンドを選択し、グラスのふくらみ部分を描く。

5. スマート寸法で半径を定義(例:R60mm)。

6. 作成した直線+円弧を選択し、「オフセットエンティティ」を選択

7. 厚みを入力(例:5mm)

8. ステム(脚)部分を描く。直線コマンドを選択し、直線の途中から斜めに線を描き足す。

台座部分まで形状を整える

9. 回転ボス/ベースで回転軸に中心線(原点からの直線)を指定し、360°回転します。

 

 

・本モデリング技術の応用例

「回転ボス/ベース」コマンドは回転体製品(ボトル設計)全般に使用ができます。

ペットボトル

試薬瓶

洗剤容器

化粧品ボトル

→ 側面断面を描いて回転

→ オフセットで肉厚設計。