第7回:ENG-REPORT-003(Part 1)「手作業による穴あけ加工精度測定結果」~なぜこのレポートが生まれたのか?~ +SolidWorks-スマホスタンドの作り方part5

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2026年5月16日

 

第7回:ENG-REPORT-003(Part 1)

「手作業による穴あけ加工精度測定結果」 ~なぜこのレポートが生まれたのか?~

+SolidWorks-スマホスタンドの作り方part5

 

<目次> ─────────────

 

・今回の技術レポートの紹介

 

・技術レポートの背景

 

・技術レポートの狙い・目的

 

・次回予告

 

・モデリング技術+動画

 

<今回の技術レポートの紹介> ─────────────

 

こんにちは。FRPカジR&Dセンター 入社3年目の山北 桜子です。

 

今回からは ENG-REPORT-003 を読み解いていきます。

テーマは「手作業による穴あけ加工の精度」です。

 

FRPの加工って、繊維と樹脂が組み合わさった材料なので、

解放面の場合は加工中に工具が当たる面が一定になりにくいです。

 

繊維の向きや密度によって硬さや削れ方が局所的に変わることが起きます。

 

そのため、抵抗が急に重くなったり軽くなったりして、

同じ力で加工しているつもりでも削れ量が微妙に変わることがあります。

 

結果として、端部で欠け・ささくれ・剥離が出やすいなど、

仕上がりに差が出やすいのが悩ましいところです。

 

だからこそ現場では手の感覚が頼りになる場面も多いのですが、

いざ図面や公差の話になると、

「結局どこまで狙えるの?」が説明しづらいな…と感じることがあります。

 

このレポートは、そういう感覚で語られがちな加工を測って、

数字で示してみようという内容です。

 

技術資料はこちら

「手作業による穴あけ加工精度測定結果」技術資料_ENG-REPORT-003 rev.1

 

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「手作業による穴あけ加工精度測定結果」技術資料_ENG-REPORT-003 rev.1 ※内容に一部誤記があったため、改訂いたしました。(2018年12月21日追記) 「手作業による穴あけ加工精度測定結果」に関するpdf資料はこちら。 背景 FRP(Fiber Reinfor...

詳細(測定条件や図表を含む原文)は、こちらにまとめています。

 

 

<技術レポートの背景>  ─────────────

 

FRP(繊維強化プラスチック)は、形状の自由度が高く、腐食にも強い材料です。

そのため、カスタム部品やタンク、屋外設備など、さまざまな製品に使われています。

 

ただ、製品として形にするには成形だけでは終わらず、

最後の加工がとても大事になります。

 

一方でFRPは、金属や均一な樹脂材料のように、

どこを削っても同じように削れるわけではありません。

 

強化繊維が何層にも重なった独特の構造をしているため、

一般的な加工方法をそのまま当てはめると、

削れ方に差が出たり、表面や層の境目に剥離が生じたりすることがあります。

 

だからこそ、FRPの特性を理解した加工のやり方が必要になります。

 

当社でも、加工中の材料損傷をできるだけ防ぐために、長年の加工経験をもとに、

ディスクグラインダーを用いた手作業中心の加工を実践してきました。

 

ただし、単純な丸穴加工だけに注目すると、

一般的な工具のほうが寸法精度を出しやすい場面があるのも事実です。

 

その代わり、条件によっては表層に剥離が出るなど、

別の課題が起きる可能性もあります。

 

そして当社の手作業加工については、

これまで加工精度を定量的に評価したことがありませんでした。

 

ここが、今回この技術レポートをまとめた背景です。

 

 

<技術レポートの狙い・目的>  ─────────────

 

このレポートの目的は、FRP平板に円形の穴あけ加工を行ったときの精度を、

きちんと数値で確かめることです。

 

加工方法は2種類で、一般的なホールソーによる穴あけと、

FRPの損傷を抑えやすいディスクグラインダー(ディスクサンダー)を用いた当社の加工方法を比較します。

 

そして、できあがった穴について、

・穴がどれだけ“真ん丸”にできているか(真円度)

・穴の位置が狙った場所からどれくらいずれているか(穴あけ位置の精度)

 

この2点を、CMM(三次元測定機)で定量評価します。

 

私自身、「丸い穴の精度」と言っても、どこを見ればよいのかは曖昧でした。

 

今回のレポートを読み解くことで、

真円度と位置精度という見るべきポイントが整理できそうだと感じています。

 

 

<次回予告>  ─────────────

 

次回 ENG-REPORT-003(Part 2) では、今回の評価で使った サンプルの作り方と、

測定の進め方をもう少し具体的に追いかけます。

 

ホールソー加工と当社のディスクグラインダー加工で、どのように穴を開けたのか。

 

そして、CMM(三次元測定機)で 真円度と穴あけ位置の精度を、

どんな基準で・どの手順で評価したのか。

 

「測った」と一言で言っても、基準の取り方で見え方は変わります。

次回はその部分を、私なりに一つずつ整理してお伝えします。

 

 

<モデリング技術+動画>  ─────────────

 

〈モデリング作業のコツ〉

今回の動画は

「SolidWorks-スマホスタンドの作り方part5」です。

 

・上記の概要に該当する動画のURL

 

 

1. スタンドにデザインを入れます。

2. 完成しているスマホスタンドモデルの斜面(スマホが当たる面)をクリックし、スケッチ → 「スケッチを作成」を選択します。

3. スケッチツールバーから「直線」を選択し、適当に線を引きます。

4. スマート寸法ツールをクリックし、寸法を定義します。

5. 「押し出しカット(Extruded Cut)」 をクリックし、背面をカットします。

 

 

・本モデリング技術の応用例

今回は直線で台形を適当に描き、後から寸法定義をしましたが、

最初から「台形として成立する」描き方もあります。

 

方法①:長方形+角度寸法

1. 長方形を描く(コーナー長方形 or 中心長方形)

2. 上辺または下辺の一方の垂直拘束を解除

3. スマート寸法で角度を指定

4. 側面と底辺を選択 → 例:80°

5. 上底・下底・高さを寸法拘束

 

方法②:中心線+対称拘束で台形を作る(左右対称)

手順

1. 中心線(補助線)を縦に引く

2. 片側だけ直線で台形の半分を描く

3. 上底・下底・高さを寸法拘束

4. スケッチ反転(Mirror Entities)

5. 自動で対称拘束が入る

 

その他、ポリゴン(多角形)を使うなどもありますが、

注意点もあるためここでは解説を控えます。